クジョルパン(구절판;九節板)

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

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クジョルパン(구절판;九節板)

クジョルパンの料理
↑ クジョルパン

クジョルパンは9つに分かれている漆をほどこした木器や、外側に華麗な螺鈿細工をほどこした器の名称です。その真ん中に小麦粉で作ったミルチョンピョン(밀전병;小麦煎餅[クレープ])を置き、他の場所に牛肉、人参、シイタケ、錦糸卵、キュウリ、もやし、岩茸などを盛り付けます。

螺鈿のクジョルパン01
↑ 漆器の螺鈿細工で作られたクジョルパン~。李先生のお嫁入り道具です。しかし李先生は色々物持ちいいですねぇ~(^^)。

食べ方はクレープに具材を置き巻いて食べます。主に交子床(교자상;お祝い料理)や酒案床(주안상;酒のつまみ料理)などの前菜料理として出されることが多い料理です。

螺鈿のクジョルパン02
↑ 表側には細かい螺鈿細工がほどこしてあります~

クジョルパンで最も重要になるのが、真ん中にある小麦粉のクレープです。方信栄『朝鮮料理諸法(조리요리제법)』(注1)には、チャルチョンビョン(찰전병;もち米のクレープ)を作る方法が記載されており、次のように書かれています。「もち米をすり潰して作った粉を冷水で混ぜ合わせ、箸で掬った時に少し落ちてくる程度のゆるさにします。そしてフライパンに油を引き、スプーンを使って綺麗に丸く焼きます。」これは小麦粉で作ったクレープも同じことで、ゆるく作らないとスプーンで丸く作る時に綺麗な形にならないのです。

陶器のクジョルパン
↑ 陶磁器のクジョルパンもあります~

また漆器のクジョルパンはお湯で洗っては駄目で、ぬるま湯に浸した布巾で汚れを落とした後、乾いた布巾でふき取ります。

陶器のクジョルパン弁当02
↑ こちらは李先生が最近気に入って購入したという陶磁器のクジョルパン弁当セットです。購入の決め手は陶磁器の質感がとても良かったからだそうデス~。

(幽の補足説明)
注1)方信栄(방신영)[1890~1977]は、韓国の女子教育者・韓国料理の大家として知られている人物です。1929年に韓国の有名女子大学である梨花女子大学家政科が創設された時に、初代の教授として就任しました。また、彼女は2年間東京栄養学校に通ったこともあることも知られ、その生涯で多くの韓国料理を記録しました。その著書のうち『朝鮮料理諸法(조선요리제법)』は、1931年に執筆され現在でも多くの韓国料理研究家に読み継がれている料理本です。

陶器のクジョルパン弁当01
↑ 李先生のこの九折板弁当セットも素敵な作品でした!!こういうの見ると料理をしたくなりますよねぇ~。

それから単なる余談ですが、先日利川に観光に行った陶磁器好きの日本人に陶芸村で写した写真を見せてもらいました。そしたら、最近の陶芸家の作品はモダンで素敵な普段使いもできる作品がとても増えていて驚きました!!幽が利川に行ったのは何時だったかなぁ~??最近の韓国デザイン力は随分上がって来ていることを実感…。さすが国策のひとつとしてデザインを挙げていることだけはあるのでしょうか??幽もまた利川に訪問して、素敵な作品が欲しいなぁ~!!


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九節板
初めてコメントさせていただきます。
いつも李先生のブログを興味深く感謝して楽しく拝見させていただいております。日本の方にとってはこんなに良く紹介される食文化はないと思います。李先生のご尽力に大変有難く存じております。そして幽様の立派な翻訳も嬉しい限りでございます。本日のご説明の中で(蕎麦クレープと書かれておりましたが九節板の中にも使用していたのでしょうか?)小麦粉のクレープではなかったのですね。蕎麦粉クレープ(メーミルジョンビョン)が韓国でたくさん作られていたのは理解出来ますが、九節板にもミルジョンビョンのほかのジョンビョンも使用されていたことは存じませんでした。有難うございました。
[ 2012/04/18 08:54 ] [ 編集 ]
おひさしぶりです。
(幽が李先生の言葉を翻訳しています。)

韓国観光公社でお会いしましたね。本当にお久しぶりです。ブログに訪問してくれてとても嬉しいです。

ところで、宮中料理では小麦粉や米粉を使うのが一般的ですが、地方によって蕎麦が沢山とれる江原道や済州島では蕎麦をよく使います。最近では大根などの野菜を薄く切って使うこともあるんですよ。

好みによって色々作られていると考えて下されば結構です。

それでは、またいつかお会いできるといいですね。
[ 2012/04/18 14:54 ] [ 編集 ]
九節板に関するご回答有難うございました。
李賢淑先生、今日はご丁寧なご回答を頂き誠に有難うございました。
なんだかお逢いしたような気持ちで大変嬉しゅうございました。
方信栄先生のご著書(朝鮮料理製法)の中のジョンビョンの作り方をご紹介くださり有難うございます。このご本は以前から読んで
見たいと思っておりましたが韓国でもなかなか探す事が出来なくて・・・。それから趙慈鎬氏の朝鮮料理法も読んで見たい本のひとつです。ソウルで李賢淑先生にお目にお目にかかれましたら色々食文化のお話お聞かせ頂いたらと願っております。これからもブログ楽しみにしています。有難うございました。 
                      西 田 圭 子
それから幽様翻訳有難うございました。もし今後コメントされるときは韓国語で理解出来ますのでどうぞ宜しくお願い致します。                      西 田 圭 子
[ 2012/04/18 17:37 ] [ 編集 ]
どうも混乱させて済みませんでした…
>西田先生へ
→ 幽です。折角西田先生に翻訳を褒めて頂いたのですが、実力不足のため先生を混乱させてしまいました。問題のミルチョンピョン(밀전병)は蕎麦粉で作ったものではなく、小麦粉で作った料理でした…。

ミルをメミル(매밀)の省略形だと勝手に調べもせず翻訳してしまったのです。後で李先生に聞いたら、ミルカル(밀가루)の省略形だったんです…。本文も小麦粉に直して置きました。

本当に済みません…。翻訳って本当に色々な知識が必要なんだなぁ~っとあらためて感じました…。m(_ _)m

これからも色々勉強して精進しなければならないな…と実感しました。
[ 2012/04/18 20:51 ] [ 編集 ]
感動的なお話ですね??
>西田先生へ
→ 暖かいコメントと、感動的なお話、どうも有難うございました。そういった方々の努力があって今の利川があるのか…と思うと、感慨もひとしおです…。

是非、西田先生がソウルにいらした時には同行したいと思います。

素敵なお話、どうも有難うございました。
(匿名のまま、申し訳ありません。)
[ 2012/04/19 00:42 ] [ 編集 ]
沖縄には「東道盆(とんだーぼん)」と呼ばれる「九節板」同様の器があります。朝鮮に由来する可能性があります。
朝鮮と琉球の交流が裏づけられれば新しい歴史ロマンの誕生です。
[ 2012/06/14 12:20 ] [ 編集 ]
素敵ですねぇ~
そうなんですか??

やっぱり沖縄と韓国はとても似た物が多いのですねぇ~。

国境が不確定の時代から多くの物や人々往来していたのでしょうね。

網野説の「海の民」…。本当に歴史の浪漫を感じますね??
[ 2012/06/15 01:25 ] [ 編集 ]
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まとめteみた.【クジョルパン(구절판;九節板)】
↑ クジョルパンクジョルパンは9つに分かれている漆をほどこした木器や、外側に華麗な螺鈿細工をほどこした器の名称です。その真ん中に小麦粉で作ったミルチョンピョン(밀전병;小
[2012/04/22 11:07] まとめwoネタ速suru
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