ソルロンタンとコムタン

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

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ソルロンタンとコムタン

ソルロンタン01
コムタン01
↑ ソルロンタン(上)とコムタン(下)

日本人の生徒さんから、よく「ソルロンタンとコムタンの違いは何ですか?」と聞かれます。確かにソルロンタン(설렁탕;先農湯[雪濃湯])とコムタン(곰탕;膏飲湯)は両方とも牛肉ベースのスープで作られ、味も食べ方もよく似ています。さらに日本では豚骨スープなどに代表される豚肉ベースのスープが多いようですが、韓国では圧倒的に牛肉ベースのスープ料理が多いという特徴もあります。豚肉ベースのスープは韓国ではどちらかといえば少数派で、釜山などで作られることが多いようです。

ソルロンタンの有名チェーン「神仙ソルロンタン」
↑ 韓国全土にある有名ソルロンタン・チェーン「神仙ソルロンタン」~。もちろん大学路にもあります~。

ソルロンタンは写真をみて分かるように牛骨の白濁スープが特徴です。牛肉、牛の頭肉、牛骨、牛足、牛テールなどの各部位を大きな鍋に入れ、何日間にもわたって煮込む料理です。そして煮えた牛肉を取り出し、骨だけをずっと煮続けることで、独特の白濁したスープになります。

神仙ソルロンタンのオリジナルの器
↑ 神仙ソルロンタン、オリジナルのアルミの器。
 とても軽い器です!!

歴史的にソルロンタン(설렁탕)は、ソンノンタン(선농탕;先農湯)やソルノンタン(설농탕;雪濃湯)などと表記されて来ました。1940年発行の『朝鮮料理学(조선요리학)』では、世宗大王(세종대왕)の時代に由来すると書かれています。

薬味もネギだけのシンプル料理
↑ 薬味もネギくらいしか入っていない、とてもシンプルなスープ。

その由来話として残されているのが、次のような話です。その昔、世宗がソンノンダン(선농단;先農壇)という農事をつかさどる祭祀を行っていた時、ひどく強い雨が降ってきて、一歩も動けない状況になってしまいました。その時、空腹の臣下たちのために祭祀の時に使っていた農牛を使って何か料理を作れと命じたそうです。その結果作られたのが、牛だけを使って作られたシンプルな料理で、それがソンノンタン(선농탕;先農湯)と呼ばれるようになりました。そしてそれが現在ではソルロンタンという呼び名に変化したとのことです。

カクトゥギとキムチが付きます~
↑ 白菜キムチとカクトゥギが何処のお店でも付いてきます~

ソルロンタンが調理時に味付けをほとんどせず、食べる人が自分の好みの分だけ後で塩を入れるのも、このような非常時の背景に由来するというのです。また塩以外には大根キムチ(カクトゥギ;깍두기)が合うとされ、これをスープに混ぜて調味料の代わりにする人も多いです。

羅州コムタンのコムタン
↑ コムタンが美味しい店として有名な「羅州コムタン」のコムタン

韓国人はご飯を混ぜて食べます
↑ 韓国人はご飯をスープに入れて食べる人が多いようです…。こういう食べ方、始めは慣れませんでしたが、今では幽も混ぜて食べることが多いです…。

これに対してコムタン(곰탕;膏飲湯)は、牛肉や牛の各種部位を長時間煮込んで作るシンプルなスープ料理という点ではソルロンタンと同じです。両者は調理法も味も似ている料理ですが、最も大きな違いはコムタンには牛骨を入れないことです。そのためソルロンタンのように白濁したスープではなく、透明なスープをしています。

コムタンが美味しい店「羅州コムタン」
↑ 羅州コムタンの外観

また微妙な味の違いとして、コムタンは胃、小腸などの内臓肉を入れて煮るので、ソルロンタンに比べて少々濃厚なスープとなり、若干脂っこい味をしています。しかしこれも店ごとの秘伝の作り方があるため、コムタンでもさっぱりしているものもあります。現在ではソルロンタンとの味の違いはかなり曖昧になっており、料理の味の違いというよりは、店ごとの味の違いとなっています。あと違いがあるとすれば、ソルロンタンがほとんど味付けされない状態で客に出されるのに対して、コムタンの方はあらかじめ醤油で少し味付けされて出されることが多いことです。

羅州コムタンの店内
↑ 羅州コムタンの店内

コムタンという名前の由来は、韓国語で「長い時間かけて煮る」という意味の「コウム(고음;膏飲)」という言葉で、それが省略され、スープの意味を持つタン(탕;湯)と合わさってできたといわれています。

店内に書かれているコムタンの由来
↑ 店内に書かれているコムタンの由来

窓に書かれた羅州コムタンの由来
↑ 羅州コムタンの由来も外の窓に書いてあります~

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