冷麺の話[再録]

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

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冷麺の話[再録]

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

この回顧シリーズに際して、同じ記事の再録なんて読者さまに受け入れてもらえるだろうか??と、少々心配もしておりましたが、新規生徒さん方には概ね好評のようでホッとひと安心しております。

常連の生徒さんからもご理解頂いているようで本当に有難うございます。m(_ _)m

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

又来屋の冷麺
↑ 北韓料理の店「又来屋」の冷麺

ここ数日冷え込みが厳しくなっています。

このような寒い日が続くと、冷麺が食べたくなります。

私の子どもの頃は、家ごとに冷麺専用の器具があるほど、みな冷麺をよく食べました。

そして、たまに東大門にある「又来屋(우래옥)」という店に行き、壁に掛けられている「大同江(대동강)」の絵を眺めながら、北韓式冷麺を食べて昔を思い出し、故郷を懐かしんだりしています。
※大同江は北韓の平安南道にある大きな川です。

又来屋の店内
↑「又来屋」の店内

冷麺と言えば、李圭景(이규경)という18世紀の人物が書いた『五洲衍文長箋散稿(오주연문장전산고)』物産辨證說(물산변증설)の中に「平壌は“甘紅路冷麺骨董飯(감흥로냉명골동반)”が有名だ」という記録が残されています。
※「五洲衍文長箋散稿」とは当時の百科事典のような本であり、甘紅路は朝鮮時代の三大名所と言われた場所です。

又来屋のお品書き
↑「又来屋」のお品書き 

また北韓で発行された『朝鮮の民俗伝統』という本にも、平壌冷麺のスープをトンチミ(동치미)と肉だし汁で作るという、2種類の調理法を紹介しています。

そして咸鏡道冷麺になるとジャガイモ澱粉のスープに牛肉、豚肉、鶏肉を使い、海が近い地域の冷麺になると、カレイ(가자미)やエイ(홍어)などの刺し身を乗せた冷麺もあります。

これはフェククス(刺し身麺;회국수)と呼ばれることもありますが、このようにひとくちに冷麺と言ってもその作り方は様々です。
※トンチミは唐辛子が入っていない汁物キムチです。

平壌麺屋の冷麺
↑ 今はもうない大学路の冷麺専門店「平壌麺屋」の冷麺…
※牛肉ベースのスープが私好みですっごく好きだったのにぃ~(泣)。幽は李先生とは違って、暑い夏になると冷麺が食べたくなるのです!!今年の夏は何処の冷麺屋行こうか困るよなぁ~。

他にも様々な麺類を使った冷麺料理もあります。

朝鮮時代後期の文臣、洪錫謨(홍석모)は『東國歲時記(동국세시기)』(1781~1850)で、ソバ(메밀국수)に大根のキムチ(무김치)、白菜のキムチ(배추김치)、豚肉の茹でたもの(편육)で飾り付けたものを水冷麺(물냉면)と記しています。

さらに骨董麺(골동면)と呼ばれるものもあります。

これはチャプチェ(韓国春雨;잡채)、梨(배)、栗(밤)、牛肉(소고기)、豚肉(돼지고기)を細く切ったものを油で炒め、しょう油で味付けした具材を、ソバのうえに乗せるという料理です。

北韓料理の店「平家屋」
↑ ここも江南で有名な北韓料理の店「平家屋」

骨董(골동)という言葉は、もともと羅ブヨン(나부영)という中国の老人に由来があります。

この老人が色々な材料を一度に混ぜて煮た料理を骨董汁(골동갱)と呼んだそうです。

そこから骨董(골동)という言葉に「色々混ぜ合わせる」という意味が含まれるようになり、骨董麺(골동면)へと派生していったようです。

骨董麺は現在ではビビムネンミョン(비빔냉면)と呼ばれることが多いです。

あるいはビビムネンミョンが美味しいと評判であった北韓地域の地名を付けてハムフンネンミョン(咸興冷麺;함흥냉면)とか、ハムギョンネンミョン(咸鏡冷麺;함경냉면)などと呼ばれることもあります。

北韓式のビビムククス
↑ 北韓式のビビムククス(비빔국수)

大学路コルトンミョンの店
↑ 大学路には「골동면(骨董麺)」という名前の店もありますぅ~

朝鮮時代後期の王たちも冷麺が大好きでした。

特に高宗皇帝は冷麺が好きで、大漢門の外にある麺の店から配達させ、豚肉や梨、松の実を乗せた冷麺を作らせました。

けれども高宗は、大の梨好きだったらしく、麺の上に山のように梨を盛らせて、中の麺が見えない冷麺を食べた…という記録も残っています。
※大漢門は徳寿宮の大門のことです。

「宮中宴路への招待」展
↑ 宮中料理研究院「宮中宴路への招待」展(2011年度開催)

日本でも1954年に咸興冷麺が盛岡市に伝えられ、盛岡冷麺という料理になりました。

今では東京でも盛岡冷麺を食べられる店ができるほどの人気料理だと聞いています。

このように冷麺は様々な種類があり、現在でも多くの人に好まれる料理になっています。

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[ 2014/02/04 10:08 ] 韓国料理 韓国料理豆知識 | TB(-) | CM(0)
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