韓国の布~モシ~(再録)

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

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韓国の布~モシ~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

よって、常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度韓国の布シリーズも再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓


モシの生地
↑ モシの生地

モシ(모시;紵)は、別名チョ(저;紵)、チョマ(저마;紵麻)、チョポ(저포;紵包)などとも呼ばれ、大麻や荢麻から剥がした繊維を糸にして織った布地のことをいいます。

チョマの畑
↑  荢麻の畑[NAVER出典画像]

チョマ
↑  荢麻[NAVER出典画像]

三国時代の百済にて、ある老人が夢枕に荢麻を偶然みたことから、この植物が発見されたという言い伝えが残り、それを由来として考えると実に1500年の歴史をもつ繊維ということができます。

ソウル経済新聞の記事
↑  荢麻から皮を剥がす作業(ソウル経済新聞2011年6月15日)

モシの質感はザラザラしており、主に夏の生地として使用されます。

モシの製造には非常に手間がかかり、複雑な工程を経なければなりません。

そのため大量に作ることができず、現在は中国をはじめとした外国からモシの生地を輸入して、染色だけを韓国で行うというのが基本です。

モシの生地色々
↑ モシの生地いろいろ

韓国国内でモシの生産地として有名なのは忠清南道の韓山という地方です。

韓山とは忠清南道舒川郡一帯の昔の地名ですが、ここで生産されるモシは手織りのモシの中で、古今東西を通して最も軽く薄いモシと言われています。

現在でも、モシの現代化と多様化を追及し、新しいモシの故郷にしようという試みから、毎年「韓山モシ祭り」が開催されています。

韓山モシ祭り
↑ 韓山モシ祭り(参加者がモシを織る体験をすることができる)


「韓山モシ祭りHP(韓国語)」(←クリック!!)


韓山モシの品質の高さを伝える有名な逸話があります。

中国の「全曾詩註(전승시주)」という書に、薛瑤英(설요영)というとても体が細くて、7世紀の唐時代を代表する美しい女性が登場します。

しかしこの女性はあまりにもかよわいため、普通の衣服を着るとその重さで体を支えることができなかったのだそうです。

そして彼女のために、世界中を探して、ようやく軽い布地を手に入れるのですが、その布地こそが、韓山モシだったというのです。

モシのコースター
↑ モシのコースター

他にも7~10世紀の新羅時代の記録には、モシのことを、まるで朝露のような布であるという意味のチョハジュ(조하주)や、ぽうっと光っているように見えるほど美しいというオマジュ(어마주)という言葉で表現したといわれています。

モシの花瓶敷き
↑ モシの花瓶敷き

10~14世紀の高麗時代にもモシに関する逸話が残っています。

第25代目の高麗王であった忠烈王の時代、ある尼僧がモシ1巻を手ずから織って、王に献上しました。

そのモシの織り目はとても細く、まるで蝉の羽根のように軽く、そのモシを手にしてもまるで重さを感じないほどの素晴らしい出来だったとのこと、またその生地に花柄を施したら、その花がまるで生きているような美しさだったという記録が残されているそうです。

通常この文献は当時の韓国人の手仕事技術の高さを証明するものとして、よく引用されますが、こういうところにもモシが登場するのです。

モシを使った韓紙工芸
↑ モシのチョガッポを貼り付けた韓紙工芸

もちろん朝鮮王朝時代にもモシについての話が沢山残されています。

例えば英祖・正祖(※ドラマ「イサン」の主人公)の時代から、王が「水刺を召し上がる(수라를 젓수신다)=食事をする」時、軟粉紅(연분홍)色のセス(세수)を使ったという記録です。

このセスというのは赤ちゃんのよだれ掛けのようなもので、王の衣服を食事で汚さないために使われる前掛けのようなものを指します。この前掛けの材質がモシであったといわれています。

さらに王や大妃が病気になると、テチュチョ(대추초)とよばれるナツメを砂糖で煮込んだ菓子や、センラン(생란)という生姜をすり潰して砂糖で煮込んだ菓子を出したのですが、それらの菓子2~3個と一緒に、白いモシで作った手ぬぐいも一緒に出すことになっていたそうです。

テチュチョ
↑ テチュチョ

他にも宮殿には僕伊内人(복이나인)という王宮で王や大臣に使える下人がいたのですが、彼女たちはスカートの前裾を引きずらないように上にあげて縛り、その上に白いモシのエプロンを着ていたとのことです。

内人のエプロン
↑ 内人のエプロン姿(MBCドラマ大長今より)

このような様々な文献に記録が残されているように、モシは朝鮮半島に住む私達の日常生活の様々な場面において、なくてはならない生地であったことを伺い知ることができると思います。



<お知らせ>

埼玉TK氏20131213
↑ 本日、ダムル工房短期集中修行中最終日の埼玉TK氏がたずさわったプラネタリウム作品について告知します。

「ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~」(←クリック!!)

埼玉TK氏は主人公の少年やお母さん、サンタ叔父さんなどの人形衣装を担当されたそうです!!

何と小さな衣装を作るのに、ポジャギの技術が相当に役に立ったと仰ってマシタ!!オドロキ!!

またメインページにあるスノーマン製作中の主人公がかぶる毛糸の帽子は、昨年の冬にソウルで買った帽子を参考に縮小して作ったのだとか!!

現在は東京・池袋のサンシャインシティにあるプラネタリウムでの上映ですが、順次全国のプラネタリウムに拡散していくそうです!!

もしお近くのプラネタリウムにやって来ることがありましたら、是非観に行ってみて下さい!!

幽の故郷には世界最大級のプラネタリウムがあるのですが、早くそこで上映してくれないかなぁ~。

それでは、埼玉TK氏~!!ダムル工房の短期修行、お疲れサマでした!!

気をつけてお帰りになって下さいね!!(^0^)/~~~

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[ 2013/12/13 10:46 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(0)
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