ヤッカ(약과;薬菓)の思い出

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ヤッカ(약과;薬菓)の思い出

ヤッカ写真
↑ 薬菓

現在ダムル工房には、新潟県からポジャギを学びに来ている日本人のお弟子さん、Ima氏がいます。久しぶりだったので薬菓をおやつに出したら、とても美味しい、自分でも作ってみたいと大変気に入ってくれました。私の料理教室では時間の関係上、なかなかお菓子を作ることができません。だからレシピを載せて、日本に帰国後作ってもらうことにしました。

李先生とIma氏
↑ 新潟のIma氏と李先生

薬菓は韓国の代表的な油蜜菓(유밀과)[注1]のひとつになります。そして薬菓を見ると、2つの思い出が自然と頭をよぎります。ひとつはイタリア・トリノで開かれた世界デザートフェスティバルのこと。2001年の911テロ事件直後のことだったので、誰も飛行機に乗ろうとしなかった時期に開かれました。

パムチョアク
↑ 開城地方で食べられる油蜜菓パムチョアク(밤조악)
中に栗の餡子が入っているこの地方特有の油蜜菓です。

けれども数ヶ月前から参加の約束をしていたのだから、行かないわけにはいかないと思い、航空会社勤務の主人に飛行機のチケットを頼みました。主人がこんな時に飛行機に乗るだなんて、随分勇気があるねと苦笑いしながらチケットをくれたことを思い出します。

メヂャッカ
↑ 油蜜菓のひとつメヂャッカ(매작과)

トリノに到着すると、アジアから参加していたのは韓国だけでした。他の欧州参加国のお菓子がチョコレートやケーキばかりで、味もとても甘かったからなのか、韓国ブースは多くの訪問客で連日いっぱいになりました。その時、出品したお菓子がカンジョン(강정)、メヂャッカ(매작과)、薬菓などだったので、それほど甘くなく、柔らかいお菓子だったことも西洋人に受けたのかもしれません。

カンジョン写真
↑ カンジョン(米のおこし)

もうひとつ薬菓と言えば、結婚式を思い出します。通常、韓国では結婚式が終わると新婚旅行に行きます。そして旅行から帰った後は、実家で1日過ごした後、婚家へ行くことになります。

この時、実家の母親は幣帛飲食(ペベクウンシク;폐백음식)と呼ばれる、婚家へ持っていく料理を準備して持たせるのです。これには嫁が姑に馬鹿にされたり、辛い仕打ちをうけないようにできるだけ豪華な食事をもたせようという実家の母親の願いが込められています。もちろん嫁がどのような味で育ったのかを婚家の母に知らせるという役割もありました。

ペベクウンシク
↑ 幣帛飲食の一例(예담폐백の専門店HPから借用)
※現在では幣帛飲食を自ら準備する家庭が減り、専門店が沢山できました。特に鐘路5街にある廣蔵市場の中には幣帛飲食の専門店が密集していて見ごたえがあります(幽談)。

薬菓も代表的な幣帛飲食のひとつで、昔は結婚式が終わると、実家の親戚や友達が集まって新婚旅行に行っている間に一生懸命作ってくれました。

私が若かった頃は結婚するまで女性ひとりでは絶対に旅行してはいけないという風潮があり、旅行好きな私は、結婚したら新婚旅行に1ヶ月くらい行くんだ!!と母に話していました。そう言うと母はいつも「そんなことしたら幣帛が全部腐ってしまうじゃないの!!」と私を叱ったものです。これも今では良い思い出です。

※ヤッカの作り方
ヤッカ完成図
↑ ヤッカ完成図[NAVER出典画像]
材料;小麦粉 200g、塩 小さじ1/2杯、こしょう・ニッキ・松の実の粉・ナツメ・ゴマ油・食用油 少々、生姜汁、ハチミツ、清酒
シロップ;砂糖 1カップ、水 1カップ、ハチミツ 2カップ、ニッキの粉、生姜汁

(作り方)
1) 小麦粉に塩とコショウを入れ練り、後からごま油を入れて生地をつくります。生地ができたら食用油を塗っておきます。
2) 別の器に生姜とハチミツと清酒を入れて混ぜ合わせたシロップを少しずつ1)の生地に入れ、丸めるようにこねます。
3) まな板に生地を置き、めん棒で四角形に伸ばします。裏側にいくつか穴を開けます。
4) 砂糖と水を鍋に入れ、シロップの分量が1カップくらいになるまで、中火で煮詰めます。
5) シロップを冷ました後、はちみつ、ニッキ粉、生姜汁を入れ、混ぜ合わせます。
6) のばした生地を適当な大きさに切り、140度くらいの低い温度の食用油で、薄い茶色になるまで揚げます。
7) 揚げたての菓子がまだ熱いうちに、作ったシロップに入れ、取り出したものになつめで飾り付けをし、松の実の粉をふりかけて完成です。

(幽の補足説明)
注1;油蜜菓(유밀과)とは、米粉か小麦粉で作った生地をのばして様々な形を作り、油で揚げた菓子全般を指します。はちみつやシロップでコーティングした菓子が多く、茶食菓(다식과)・他来菓(타래과)と呼ばれることもあります。パイのような食感が特徴的です。


↓ ブログ村のポジャギカテゴリーに参加しました。クリックして頂けると李先生のモチベーションが上がるようです(笑)!!
にほんブログ村 ハンドメイドブログ ポジャギへ
にほんブログ村
油蜜菓パムチョアク(밤조악) 먹고 싶어요!!
食べたことないです。おいしそー(^_^)
次回覚えてたら言ってみようっ
[ 2012/03/02 22:33 ] [ 編集 ]
私もないです!
私も見たことも食べたこともないなぁ~。

やっぱり開城地方の郷土料理というだけあって、ソウルでは一般的ではないみたいです。さつもいもの餡子のお菓子は見たことあるけどね。

探せば、郷土料理専門店とか、どっかで売ってるのかなぁ~??
今度、李先生に会ったら私も聞いてみます。
[ 2012/03/03 00:00 ] [ 編集 ]
shiva
私もパムチョアクは食べたことがないです。
食べてみたい〜!
普通の薬菓は楽園洞の「楽園餅屋」や「鍾路餅屋」で
売ってますよね。ここにはないかな〜?

薬菓は良洞村に行ったとき作って売っている家があって、
出来立てを買ったらすごくおいしかったです。
[ 2012/03/04 06:37 ] [ 編集 ]
う~ん??
「楽園餅屋」や「鐘路餅屋」でパムチョアクは見たことないですね~。

やっぱり北地方の郷土料理らしいから、ソウルではあまり見かけないのかもしれません。北韓料理は麺料理を中心に結構お店があるんですけど、お菓子となるとさっぱりですもんね。

これは李先生に作ってもらうしかないでしょうか??(笑)
でも李先生もあんまりお菓子は作らないみたいだからなぁ~。

良洞村行かれたんですね!私は李先生から両班の家の一部が開放されて泊まれると聞いていたんですけど、庶民の草家にも泊まれたんですね!確かに不便だったかもしれませんが、貴重な体験だと思いますよ??

あそこはHPによると薬菓を名物のお土産にしているみたいでしたが、出来立てがあるとは!確かに出来立て熱々の薬菓って美味しそうですよね!!

私はまだ出来立ては食べたことないなぁ~。
[ 2012/03/04 22:48 ] [ 編集 ]
パムチョアクとても美味しそうですね
はじめまして、貴陽と申します。

パムチョアク、すごく美味しそうですね。薬菓や饅頭菓は好物なのですが、これは初めて見ました。一番上の二つは、ちょっと見た目が違いますね。これも同じものなのでしょうか。

開城は食べ物に手が掛っていて、美味しい地方だと聞いています。レシピを探したのですが、日本では北韓の食べ物やお菓子の本が出ていないようで、挫折しました…。

よろしければ、パムチョアクのレシピを教えて頂けないでしょうか。ちょうど、立秋ですので、気が早いですが、この秋栗が出たら作ってみたいのです。

[ 2015/08/07 15:58 ] [ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 2015/08/07 20:06 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
この記事のトラックバック URL

プロフィール

ダムル工房

Author:ダムル工房
日本人ゴーストライターが書く李賢淑先生の徒然雑記。

問い合わせメール先
damurukobo.pojagi0309@gmail.com
※「docome.ne.jp」のメールアドレスでは、何故かこちらから返信ができません。申し訳ありませんが他のメルアドから問い合わせして下さい。ご協力宜しくお願いします。
ブログ訪問者さま
最新記事
最新コメント


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。