宮中飲食古文献シンポジウム

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

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宮中飲食古文献シンポジウム

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↑ シンポジウムの会場

韓国料理世界化プロジェクトの一環として「朝鮮王朝宮中飲食古文献シンポジウム」に参加しました。シンポジウムテーマは「人文学者が作った朝鮮王室の食卓」。人文学研究者たちが古文献史料を土台にして、宮中飲食に関する学際的アプローチの成果を集めて発表しました。

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↑ 発表の様子

今回のシンポジウムでは各種史料のなかに隠れていた朝鮮王朝の飲食実態に接近する各種論文が発表、討論されました。様々な研究発表があったので、全てをお伝えするのは難しいですが、印象に残った発表を書いておこうと思います。

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↑ 質疑応答の様子

一番興味深かったのが、朝鮮王室の飲食文化が節食を基本として考えられているということでしょうか。これまで王家の食事というと何となく豪華な食事…というイメージが先行しがちでしたが、これを否定した発表はとても興味深いものでした。

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↑ 後半は「朝鮮王朝の功臣/蔵書閣特別展」にも行きました。

史料を飲食関係の記述を中心に丹念に読み直すと、王世子たちに「食べ物に対して欲を持ってはいけない」と諭す文言や、珍羞正餐(진수정찬:珍味を望む豪華な食事)をしてはならないという、食に対する節制をうながす記録がかなり多いとのこと…。節食をすることが聖君の道に通ずると教育していたことが分かるそうです。

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↑ 色々な古文献が展示されていました。

そして歴代の王の中で粗食の代表となるような王が英祖でした。彼は朝鮮王朝の中で最も長く王位に付いていただけでなく、最も長命の王でした。彼は過食を禁じ、重湯に牛乳を混ぜた駝酪粥(타락죽)と呼ばれる食事を好んで食べたそうです。この食事は現在の栄養学的な観点から見ても、消化のよい良質蛋白質と脂肪を、バランスよく摂ることができる補養食と言えるそうです。

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↑ 蔵書閣に所蔵されている古文書が閲覧できます。

結局英祖の類稀なる長寿と健康の秘訣は、徹底した節食から実現した…ということです。英祖は産まれた時から体が丈夫でなく、特に消化器系の弱い神経質な子どもだったそうです。そのため王になった後も王に饗される山海珍味でいっぱいの豪華な水刺床を楽しむことができなかったとのこと…。当然食に対してあまり関心を持てなかったのでしょう。後に臣下たちに対して禁酒令まで出しています。

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↑ この展示会についても機会があれば紹介したいですね。

他にも彼が夏に毎日好んで食するものは、麦ご飯に水をかけたものだったとか…。全く王らしくない食事ですよね。料理というものに少なからず携わる身として、粗食こそが長寿と健康の秘訣…と結論づけられると、かなり複雑な気分になります。けれども、これは一面の真理を含んでいるのでしょうね。

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↑ 夕食は宮中料理研究院会員の韓食堂で食事しました。粗食とは程遠い感じではありますが…。

他にも色々興味深い発表がありましたが、また機会があったらブログに書きたいと思っています。このシンポジウムは1日中色々な発表があり、知らなかったことをあれこれ教わりました。とても有意義な時間を過ごすことができたので、このような機会がまたあるようなら是非参加したいと思っています。

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