ポジャギと伝統料理の文化散策

ソウルの大学路で伝統工芸工房・ダムル工房を経営し、韓国宮中飲食研究院の郷土料理講師でもある李賢淑先生が毎日の生活のなかで感じた徒然雑記を日本語で紹介します。(たまに…、いや最近は結構な頻度でゴーストライターのダムル工房日記になることも…苦笑)

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閨中七友争論記[규중칠우쟁론기](再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

この回顧シリーズに際して、同じ記事の再録なんて読者さまに受け入れてもらえるだろうか??と、少々心配もしておりましたが、新規生徒さん方には概ね好評のようでホッとひと安心しております。

常連の生徒さんからもご理解頂いているようで本当に有難うございます。m(_ _)m

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

李先生のキュバンチルウ
↑ 李先生所有の閨中七友

朝鮮王朝時代は男性の空間と女性の空間を厳格に分けて生活をしていました。

そして女性の生活空間をアンバン、またはキュバン(閨房;규방)と呼びました。

そして外の世界に出ることが厳しく制限されていた女性たちは、一日中閉鎖された屋敷の中で生活しなければなりませんでした。

朝鮮王朝時代キュバンチルウ
↑ 朝鮮王朝時代の閨中七友

そのため朝鮮王朝時代の女性たちは、生活空間が大きく制限されるという不満を自分たちの部屋を自分好みの小物で美しく飾ることで解消しようとしたのです。

そして、創意工夫を凝らし、針と布を駆使して様々な生活工芸品を産み出しました。

これが現在、閨房工芸と呼ばれる私たちが携わる工芸分野のいちジャンルとなっています。

キュバンチルウ入れ
↑ 李先生愛用の閨中七友入れ

また女性たちは閨房に集まり、意匠を凝らした小物を作りながら、様々な話を交わしていました。

もちろん実用的な知識の伝達もしましたが、それだけではなく色々な物語を語りあったのです。

キュバンチルウ入れ表
↑ 閨中七友入れの外観

そうして生まれ、語り継がれた物語のひとつに「閨中七友争論記(규중칠우쟁론기)」(注1)というお話があります。

この物語はもともと「閨中七友(규중칠우)」(注2)と言って、女性にとってなくてはならない針仕事のための7つの道具を、かけがえのない友達のように考えるという生活哲学から生まれました。

すなわち、 針(바늘)、糸(실)、物差し(자)、ハサミ(가위)、アイロン(다리미)、指貫(골무)、インドゥ(인두)を擬人化して、彼女らが夜中、持ち主のお嬢さんが寝た後に色々話りはじめるのです。

キュバンチルウ4個
↑  閨中七友(左上から針、物差し、ハサミ、糸)
(幽談)但しハサミは飴をきる飴鋏なので、悪しからず…(苦笑)。数年前「韓国生活史」という授業のレポートとして、この史料を取り上げたのですが、その時発表用資料として作成したものです。でも当時どうしてもこの時代の布ハサミを探すことができなかったため、とりあえずそれっぽいハサミを探して載せたのですが、講師から「そのハサミ、用途が違うよ!」と即座に指摘されました…(苦笑)。そういえば、後で李先生に見せた時にも同じツッコミをされたような…。皆さんの厳しい指摘に日々鍛えられております…。

しかしこの物語は、読んでみるとそれぞれの道具の特性が実に上手く生かされており、また世間に対する痛烈な風刺が聞いていて、とても面白い物語になっています。

この物語を通して針仕事に使用する道具は、単純な道具ではなく、女性を助けてくれる存在であり、心を安らかにしてくれ、想像力を与えてくれる、まさに「友人」のような存在なのだ…という気持ちが溢れているお話になっています。

キュバンチルウ3個
↑  閨中七友続き(左上から、インドゥ、指貫、アイロン)

私たち閨房工芸に関わる人間には必携の書と言われていますので、日本の皆さんも是非一度読んでみては如何でしょうか?

昔のアイロン
↑ 李先生所有の昔のアイロン

(幽の補足説明)
注1;「閨中七友争論記(규중칠우쟁론기)」とは、朝鮮王朝後期の作品と推測され、作者・年代未詳の韓国随筆です。

様々な媒体を通して伝えられていますが、一番詳細な物語が残されているのは『忘老却愁記(망로각수기)』に掲載されているものです。

登場人物は閨中七友の7名で、それぞれの名前が細腰閣氏(세요각시;針)、尺夫人(작부인;物差し)、交頭閣氏(교두각시;ハサミ)、熨娘子(울낭자;アイロン)、青紅黒白閣氏(청홍흑백각시;糸)、引火娘子(인화낭자;インドゥ)、敢闘老女(감투할미;指貫)となっています。

歴史学の史料としては、女性史分野における重要な一次史料として扱われており、当時の女性の心を探る重要な文献と言われています。

しかし、そういった学問的な範囲を超えて、純粋な読み物としてもクスッと笑える風刺が効いており、お薦めです。

注2;もちろん男性にも「文房四友(문방사우)」と言って、男性にとってかけがいのない友とせねばならないものがあります。

四友とは筆(붓)、紙(종이)、硯(벼루)、墨(먹)です。

こういった思想から、当時の男性と女性に何が求められていたのかが分かると思います。


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[ 2013/12/31 10:49 ] ポジャギ 閨房工芸豆知識 | TB(-) | CM(0)

袈裟について(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

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袈裟技法を応用したチョガッポ作品
↑ 袈裟技法をチョガッポに応用した作品

袈裟(가사)とは仏教の出家僧が着る装束のことです。

以前「チョガッポの技法」をお話した時に少しご紹介しましたが、この袈裟を作る裁縫技法をチョガッポに応用した作品があります。

袈裟のもつ独特な風合いと布の重ねがかもし出す雰囲気がチョガッポになっても魅力的なため、工房の生徒さんたちにも人気がある作品のひとつです。

袈裟のことが書かれている本
↑ 韓国の袈裟について書かれている本の1ページ
(出典『韓国の袈裟』p109より)

袈裟という言葉は、もともとは出家僧の衣服という意味ではなく、法服の色を意味したものだったそうです。

袈裟の語源はサンスクリット語で「混濁色(鮮やかでない色)」を意味するカシャーヤ(Kasa-ya)と言われています。

この梵語のカシャーヤが中国へ渡り、音訳されて袈裟となり、その漢字を韓国語読みでそのまま「カサ(가사)」と発音したようです。

袈裟技法のチョガッポ壁掛け
↑ 袈裟技法で作られた大作の壁掛け

袈裟は財産を持つことを禁じられていたインドの修行僧の時代はボロ布をつなぎあわせた衣服を指していたのですが、中国へ伝わるころには僧侶を意味する装飾的な衣装へと変化したようです。

そして韓半島へ伝えられるころには、仏陀が衆生を教化するために着た厳粛な装いと考えられるようになり、いつしか袈裟をいつも着る者には、邪神が寄り付けず、聖賢(聖人や賢人)の守護を受けることができると信じられるようになりました。

尼僧さんが作ってる本物の袈裟
↑ ダムル工房の生徒さんで、尼僧さんが作っている実際に袈裟として使う予定のもの。

太古宗袈裟とよばれるものを作っているのだとか…。※太古宗袈裟は韓国では結婚した僧侶が着る袈裟だそうです。

袈裟は基本的にはホッポ(홑보;一重縫い)で作られています。

そして端切れをつなげる技法としては、カムチムチル(감침질;巻きかがり縫い)が中心ですが、部分によってはホムチル(홈질;ぐし縫い)やパンパグムチル(반박음질;半かえし縫い)なども使用します。

袈裟と李先生
↑ 最近尼僧さんは忙しいらしく、工房にしばらく顔を出せないのだそうです。

そのためまだ作りかけで置かれているとのこと…。(2013年末現在、完成しました!!)

袈裟を応用したチョガッポ作品でも、もとは僧侶が着るものであるということを考慮して、本物の袈裟同様に随所に通門を残してあります。

これは袈裟には僧侶が知らないうちに殺傷をしてしまわないように、山中で小さな虫が修行中の僧侶の衣服と袈裟の間に入り込んでしまっても、何処からでも出て行けるように配慮して作られているからです。

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[ 2013/12/30 10:17 ] ポジャギ 閨房工芸豆知識 | TB(-) | CM(0)

丹青模様のてまり(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

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丹青模様の手まり03
↑ 丹青紋様を応用した手まり作品

丹青(タンチョン;단청)とは元々建築物に施された装飾紋様のことをいいます。

多彩な色を駆使して模様と絵を描きます。

彩色することで建築物や作品を装飾するだけでなく、風雨にさらされ傷むことから保護しました。

主に宮殿建築物の壁面や寺院の天井に描かれていることが多いものです。

孤雲寺の丹青
↑ 孤雲寺の丹青(2011年夏「慶尚北道ツアー」時撮影)

月精寺の丹青
↑ 月精寺の丹青(2010年夏「染色ツアー」五臺山月精寺にて)

月精寺の天井模様
↑ 寺院の天井に描かれた丹青紋様(同月精寺にて)

この素晴らしい韓国の伝統紋様を、何とか手まりにも応用できないだろうかと苦心しました。

思いのほか、美しい作品になったので、概ね満足しています。

丹青模様の手まり01
↑ 丹青手まり(中型1)

丹青模様の手まり02
↑ 丹青手まり(中型2)

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[ 2013/12/27 10:33 ] ポジャギ 韓国の紋様 | TB(-) | CM(0)

紋様について(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

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十長生の刺繍作品
↑ 十長生の刺繍作品

韓服や閨房工芸(규방공예)[注1]などで太陽・山・雲など、その他多様な模様が刺繍されているのをみたことがあると思います。

それは当時の女性がそれを着る人、使う人に思いをはせ、願いを込めて刺繍したものでした。

その代表がシプチャンセン(십장생;十長生)と呼ばれる長寿や不死を表現する10個のシンボルです。

10個は太陽・山・水・岩・雲・松・不老草・亀・白鹿・白鶴です。

白鶴の巾着
↑ 白鶴の巾着

十長生は神仙思想に由来するもので、自然崇拝の対象物です。

昔は長く生きると考えられたものや、長く変わらないものを集めて、それに人間の健康と長寿を重ね祈願したのです。

もちろん、この10種以外にも色々なモチーフがあります。

閨房工芸でよく見かける模様の簡単な意味は以下の通りです。

壷と鳥の刺繍
↑ 壷と鳥と梅花の刺繍

竹(テナム;대나무)、菊花(クッカ;국화)、梅花(メファ;매화); 儒教の礼節・節義を象徴する模様です。

蝶のノリゲ
↑ 蝶のノリゲ

蝶(ナビ;나비)、鳥(セ;새)、蜂(ポル;벌);夫婦間の和合と子孫の繁栄を望む女性の心を表現したものです。

不老草と牡丹と梅花の作品
↑ 不老草と牡丹と梅花の作品

牡丹(モラン;모란);財産が多くなり、社会的な地位が上昇することを願う心を表現しました。

壷と蝶の刺繍
↑ 壷と蝶と梅花の刺繍

壷(ハンアリ;항아리);多くの福が入ってくることを願いました。

鳥と蝶と不老草
↑ 鳥と蝶と不老草の刺繍

不老草(プルロチョ;불로초);この草を食べれば老いることなく長く生きるという長寿への願いを込めました。

蓮の花(ヨンコッ;연꽃);仏教の清純な心と永遠の命の世界を表現しました。

石榴(ソンリュ;석류)、蝙蝠(パクチィ;박쥐);これらが多産の象徴だったため、子宝に恵まれるようにとの願いを込めています。

蝉(メミ;매미);露を食べて生きると考えられたため、「清貧」を意味しました。

虎(ホランイ;호랑이);知恵を持ちながら、同時に勇猛果敢な度量と気概をもつようにとの願いが込められています。

虎の足の爪が赤い場合は厄災を防ぐという意味も含まれています。

唐辛子(コチュ;고추);当時は男子を好む社会であったため、男の子が産まれますようにという願いが込められました。もちろん現代では女の子を好む親もかなり増えているように感じます。

他にもまだまだ沢山あります。

紋様に対する研究書も色々あるので、そういったものを見てもらえれば、それぞれの意味をより詳しく知ることができます。

(幽の補足説明)
注1; 閨房工芸(キュバンコンエ;규방공예)とは朝鮮王朝時代、男性の生活空間であるサランバン(舎廊房;사랑방)に対して、女性の生活空間であるアンバン(闺房;안방)の別名、閨房に女性が集まって作った工芸作品の総称です。

儒教社会で社会的な活動が制限されていた女性たちは、その不満を針仕事を通じて解消、さらに自己表現していたといえ、実に多様な作品があります。

なので、針と糸を使って作られた生活用品全般を指す言葉と考えて下されば結構です。

結論として韓国においてポジャギやチョガッポはあくまでも閨房工芸の一部…ということになります。

日本と違ってチョガッポなど、パッチワーク作品だけ作る人というのは、韓国の閨房工芸家として認められないのだそうです。

何処の世界でも本家は大変ですねぇ~(苦笑)。


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[ 2013/12/26 10:26 ] ポジャギ 韓国の紋様 | TB(-) | CM(0)

天然染色の糸(再録)

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自然染色001
↑ 天然染色の糸が送られてきました~

天然染色を生業としているお弟子さんのひとりから、この糸のデモンストレーションと宣伝を兼ねた作品作りを依頼されました。

もともと天然染色とは、自然から採取する花・木・草・土・虫・貝殻などより抽出した天然物質を使い、布や糸を染めることです。

天然物質は大きく分けて、動物性染料と植物性染料の2つがあり、昔から色々な色が作られて来ました。

自然染色005
↑ 藍を使って染めた糸~

今回依頼された糸は全て植物性染料によって染められています。

青色は藍(쪽)で染めた糸だそうです。藍は昔から人類に知られていた代表的染料でした。

この染料を使って染めた布で衣服を作れば、ウリ(으리)と呼ばれる薬が体に合わないことで皮膚に熱をもつ、薬では治せない皮膚病に効果があったと伝えられています。

他にもアメリカの西部開拓時代の話が有名です。

当時のアメリカでは蛇が多かったそうで、鉱夫たちが着ていた茶色のズボンをインディゴ藍で青色に染色し、蛇との接触を防いだそうです。

現在でも「インディゴブルー」という色はよく知られていますね。

自然染色003
↑ 天然染色の糸で手まりを作ることにしました~

赤色は植物性の蘇方木以外にも、動物性染料の乾酪蟲(古くなったチーズに生まれる寄生虫)、コチニールを使うことが多かったようです。

媒染として、明礬(ミョウバン)や塩を使うことでより鮮やかな赤色を手にすることができたとか。

自然染色004
↑ 黄色は梔子を使っているそうです~

黄色は黄鉛(クロム酸鉛を主成分とする染料)などの鉱物系のものもありましたが、植物性の鬱金(生姜科に属する植物から作る染料)、金錢花(トベラ)、梔子を使用することが韓半島では多かったようです。

黄色には鬼神を追い出したり、病気を防いだりする力が宿ると考えられ、呪術関係には欠かせない色だったようです。

自然染色002
↑ 天然染色の手まりは化学染料よりもとても暖かな色合いですね

緑色は青色と黄色の複合色から作られました。韓半島の王室では王妃の唐衣や圓衫(女性の伝統礼服)に多く使用される色であり、王世子(皇太子)の衣服も緑色のものが多かったようです。

そのため青色の材料となる藍を沢山栽培することになり、農地面積が少なくなるほどであったといいます。

そして、しばしば農事に支障が出るほどの問題となり、中宗23年(1528)には濃い緑色の衣服を着用することが禁じられたという記録が残されているほどです。

自然染色006
↑ こちらが完成品の手まりですぅ~

このように人類は古くから天然物質を利用して多様な色を手にしてきたのだと考えると、普段当たり前のように身近に存在する色のひとつひとつが、とても感慨深いものに変わっていきますね。

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[ 2013/12/25 10:52 ] ポジャギ 韓国の色 | TB(-) | CM(0)

セクトンの由来(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

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女の子用チマチョゴリ01
↑ 女の子のセクトンチョゴリ~

安丘山という研究者が1965年に書いた「セクトンチョゴリ(색동저고리)」という論文によると、セクトンは韓国女性の象徴だと言っています。

1月の正月、5月の端午、8月の秋夕など、名節の時期ごとに子どもから成長した少女までが着るセクトンチョゴリによって、韓国人は名節の実感を少なからず得ていると思われます。

つまりセクトンは韓国の名節を象徴する衣服と言え、韓国固有のものだという特徴と自負を持っているといえるでしょう。

男の子用のパジチョゴリ01
↑ 男の子のセクトンチョゴリ~

けれども実際にセクトンチョゴリに対する記録は残されていません。

ただ民謡のように口伝で伝えられてきたのではないかと考えられているそうです。

高麗時代の中ごろに中国の宋から緋緞(シルクの布)が入って来たのですが、当時は王の許可なく一般人がこの布を使うことが禁止されていました。

しかし王が下賜した布で衣服を縫うと、自然に切れ端(조각)が出てしまい、その切れ端を捨てることなく集めて、子どもの衣服を作ったという話がセクトンチョゴリの始まりではないかと考えられています。

女の子用チマチョゴリ02
↑ 友人の娘さんへのお土産に買ったセクトンチョゴリ~。

何と帽子とチュモニをおまけしてくれましたぁ~!!ラッキー!!


セクトンチョゴリについて知っておかなければならないこともあります。

韓国人でも意外と知らない人が多いのですが、子どもたちに着せるセクトンチョゴリを作る時、男の子の袖には藍色の縁取りを付け、女の子の袖には紫色の縁取りを付けることが通例となっています。

男の子のセクトンチョゴリ
↑ 男の子のセクトンチョゴリ~。

これは人形が着るセクトンチョゴリです…。


男の子用のパジチョゴリ02
↑ これも男の子用~。

本当は男の子のセクトンチョゴリの袖は上の人形の服のように藍色の縁取りにしないといけないのですが、現在ではその辺りのことは忘れられていることも多いとのこと。

広蔵市場の子供用韓服の店でもしきたりに沿っていないセクトンチョゴリが沢山ならんでいるそうです~。

でもどれも可愛いですけどねぇ~。


チマチョゴリは朝鮮時代になると、色によってその身分や状態を表すようになりました。

例えば、セクトンを着ている者は幼い子どもと認識されています。

結婚前の女性は真紅のチマに黄色のチョゴリ、新婦は真紅のチマに黄緑色のチョゴリを着ることになっていました。

他にも結婚後の婦人は紺色のチマに玉色(=翡翠色・空色)のチョゴリ、さらにチョゴリの袖先が藍色をしていたら息子がおり、紫色なら旦那がいるということを示していたといいます。

セクトンを沢山売っている店
↑ もちろんセクトン用の生地屋さんも沢山ありますぅ~

また王家や名門勢道家(政治権力を持った家)などでは、セクトンに金箔の模様を入れることができました。

けれども壬辰倭乱(←文禄・慶長の役)以降は、両班階級の家が増えることによって、富裕層ならば金箔を入れることが一般化していったそうです。

色々なバージョンのセクトン生地
↑ 色々な種類のセクトンがあるんですねぇ~。

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[ 2013/12/24 10:41 ] ポジャギ 韓国の色 | TB(-) | CM(0)

五方色について(再録)

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五方色の作品03
↑ 五方色の作品

今日は韓国の様々なジャンルで使われる五方色(オバンセク;오방색)についてお話したいと思います。

高句麗の古墳壁画にもこの五方色が使われているように、朝鮮半島に住む人々は昔からこの色を多用してきました。

三国時代には既に染色技術が発達していたため、王は五彩(五色)と呼ばれる色の衣服を着て、臣下は青や赤の絹の帽子に黄色がかった色(누런색)の革靴を履いていたことを示す絵画も残されています。

五方色の作品02
↑ 五方色の針山

朝鮮半島は四季がはっきりした環境をもっているため、色彩感覚も自然と同化した経験的なものになりました。

そこに儒教の陰陽五行思想が加わり、陰と陽の思想が相互に作用することによって、色に吉凶禍福の意味が加えられるようになりました。

五方色の作品05
↑ 五方色のチョガッポ

そして次第に色彩と陰陽五行思想が体系化され、方位、季節、味、意味、身体部位、感情などと結びつくようになりました。

五方色とその象徴物01
↑ 五方色とその象徴物

よく知られたものとして、赤と青は「陽」に該当し、悪鬼を追い払い、陰陽を調和させる色として病を防いだり、治癒したりすると信じられてきました。

五方色の作品01
↑ 五方色の作品

他にも子どもに着せるセクトン(색동;色動)と呼ばれるものがあります。

セクトンとは「色を全て入れた(색을 동 달았다)」を省略した言葉ですが、この「色」とは五方色を指しています。

五方色の全てを使ったセクトンを子どもに着せることで、その子の無病息災と災厄防止を祈願したのです。

セクトンチョゴリ
↑ セクトンチョゴリ(doopedia韓国百科辞典より)

衣服だけでなく、料理にとっても五方色は重要な概念になりました。

料理はできるだけこの五色を上手く調和させることが基本とされ、それを一番典型的に表しているのが宮中料理の神仙炉(シンソンロ;신선로)という料理です。

シンソンロ
↑ シンソンロ(宮中飲食研究院HPより)

このように韓国の色彩には様々な意味が込められ、それを見る人々とイメージを共有しているのです。

五方色の作品04
↑ 五方色の作品

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[ 2013/12/23 10:19 ] ポジャギ 韓国の色 | TB(-) | CM(0)

鋏の話[その2](再録)

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はさみの話②の01
↑ 韓国の食堂や家庭のキッチンで使われるキッチンハサミ

外国人が韓国へ来て驚く文化のひとつが、食卓でハサミを多用することだといいます。

外国人観光客だと、焼肉店で客の目の前で肉をハサミで切ったり、冷麺を食べやすく切ってくれる光景などをよく見るのではないでしょうか??

はさみの話②の02
↑ 工房では刺繍鋏以外だと、この裁ちバサミが大活躍です。

しかしこのような光景は90年代以降、外食文化が発達するなかで現れてきたもので、決して伝統的な文化とはいえません。

それより以前の韓国では食卓でハサミを多用することは全くありませんでした。

けれども現在の韓国の各家庭では、いつの間にか包丁代わりに食用ハサミを多用するように変化しています。

確かにちょっとした食材を切る時にはまな板いらずで、手軽ですからね。

はさみの話②の03
↑ ピッキングハサミももちろんよく使います。

つまり20年ちょっと前までは、韓国でも他国と同様にハサミの用途は主に布を裁断したり、髪を切ったりする道具だったのです。

ちなみに韓国の最も古いハサミと考えられているものは、三国時代(紀元後4世紀頃)新羅の首都であった慶州・芬皇寺(분황사)からの出土品です。このハサミは金銅製でした。

また同時代の高句麗でも、古墳の壁画に女性が手にハサミを持っている姿が描かれています。

はさみの話②の04
↑ この握り鋏は日本独特のハサミです。こういった形のハサミは他国にはありません。ちなみにこのハサミは日本人の生徒さんの忘れ物です。自分のモノだと分かったなら、ダムル工房に保管してありますので、受け取りに来てください~。

それが7世紀の統一新羅時代になると、ハサミの刃がX字形に交差し、真ん中を固定ネジで留める形になりました。

さらに14世紀の朝鮮王朝時代になるとハサミの持ち手の部分が現在のような湾曲した形になり、現在とほぼ同じ形を持つハサミになったようです。

はさみの話②の05
↑ モシでハサミカバーを作っています~。どなたか心当たりはありませんか??

そしてハサミが現在のような形として完成すると、その後の韓半島では、いつしかハサミがその形から「二股をかける(浮気をする)」という意味を持つようになりました。

その結果、ハサミが持つ暗喩の解釈を巡り悲劇的な結末をむかえる人物がいます。

朝鮮王朝時代の有名な詩人、キムウォンソ(김원소)です。

はさみの話②の06
↑ この独特な形をした作業バサミも日本製です~。デザインをメモしながら作業をする時にとても便利なハサミです。

彼は新婚初夜に新婦の才能を試そうとして、ハサミを素材に詩を作ってみろと要求します。

新婦は彼の要望に答えて、初夜の雰囲気とハサミの特性を生かした詩を読みます。

しかし、この詩を聞いたキムウォンソは彼女を淫乱な女性だと非難し、家に送り返してしまいます。

真意が伝わらなかった彼女は絶望して実家で自殺してしまうのですが、その知らせを聞いてキムウォンソは自分が彼女の詩を誤解して解釈していたことを知るのです。

その後、彼は後悔のあまり俗世を捨てて僧侶になり、彼女を一生弔ったという話です。

何とも後味の悪い話ですが、これも当時ハサミに「二股をかける」という意味が隠れていたことから起こった悲劇といえるのでしょうね。

はさみの話②の07
↑ これは何とハサミの刃の部分に定規のメモリが付いているスグレモノです。ちょっとした物の大きさを測ったり、目分量でチョガッポの小さな端切れを切る時にとても重宝します。素晴らしいアイディアだと思います。

また現在でも信じられている迷信として、女性が嫁ぐ時にハサミや包丁は絶対に持っていってはいけない品物とされています。

これはハサミや包丁が「婚家との情を絶つ」ものとして考えられているためで、新婦の実母は嫁入り道具にこれらのものが入らないように気をつけます。

けれども万一何かしらの事情で持って行かねばならない時は、婚家の誰かにその分の代価を支払ってもらえれば、持っていくことが可能とされています。

私たちの身近に当たり前にある道具たちにも様々な逸話があって、本当に興味深いものですね。

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[ 2013/12/20 10:38 ] ポジャギ チョガッポの道具 | TB(-) | CM(0)

鋏の話[その1](再録)

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刺繍ハサミ01
↑ イタリア製の刺繍ハサミ。使いやすくて愛用しています。

針と同様、毎日のようにお世話になっている道具にハサミ(가위)もあります。

ハサミとひとくちに言っても用途によって、それは沢山の種類のハサミがあります。

私が仕事でお世話になるハサミは主に裁ち鋏と刺繍鋏ですね。

刺繍ハサミ02
↑ こちらはドイツ製の刺繍ハサミです~

特に刺繍鋏は凝ったデザインの可愛らしいものが多いため、気になったものを購入するうちにちょっとしたコレクション並みになってしまいました。

今では世界各国の可愛い刺繍鋏を見ると、つい購入・収集してしまいます。

刺繍ハサミ03
↑ パキスタン製のハサミ。これは医療用はさみなのですが、とても切れ味がよいので、刺繍鋏として使っています。パキスタンの医療用ハサミは世界的に高い評価を得ているのだそうです。

針と同様、ハサミの歴史を紐解くと、これまた面白い話が溢れています。

先ずハサミの誕生が紀元前1300~600年前の古代バビロニアに始まり、その当時から約2500年間という長い時間、ほとんどその形態が変わっていないということに驚ろかされます。

つまりハサミは誕生した当初から完成した道具だったということですね。

刺繍ハサミ04
↑ 先日、sono氏がプレゼントしてくれたドイツ製の刺繍ハサミ。sono氏、どうも有難う~。大切に使います。これもよく切れますねぇ~。

材質については、紀元前1570~1293年まで続くエジプト第18王朝の時代には青銅製のハサミが誕生し、古代バビロニアの文献や旧約聖書にはすでに羊毛を刈る鉄製ハサミの記録が残されているそうです。

刺繍ハサミ05
↑ こちらは展示会でH氏がお土産に買ってきてくれました。中国製の刺繍ハサミです。とても可愛いデザインですよねぇ~。

一方、東洋の記録となると、中国の前漢時代(紀元前208~8年)がハサミについての最初の記録になるようです。

そして韓半島での最も古いハサミは、新羅時代(紀元後356~935年)の石塔から発掘された出土品があります。

その後、約6世紀頃には韓半島から日本に伝わったといわれているようです。

刺繍ハサミ06
↑ ハータンガー刺繍専用の刺繍ハサミ。独特な刃先をしています。

明日は日常生活の至るところで活躍するハサミ大国、韓国のハサミの歴史についてお話しますね。

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[ 2013/12/19 10:57 ] ポジャギ チョガッポの道具 | TB(-) | CM(0)

続・縫い針の話(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

この回顧シリーズに際して、同じ記事の再録なんて読者さまに受け入れてもらえるだろうか??と、少々心配もしておりましたが、新規生徒さん方には概ね好評のようでホッとひと安心しております。

常連の生徒さんからもご理解頂いているようで本当に有難うございます。m(_ _)m

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

続縫い針001
↑ オクサの作品。

チューリップ社「キルティング針No.12」で作りました。

続縫い針002
↑ これも同じ針を使って完成。

ソウル食堂というレストランから依頼を受けて完成させました。

明後日にでも納品に行きます。初めは他の方にミシンで作って欲しいという依頼だったそうですが、巡り巡って何故か私のところに舞い込んでくることに…。

もちろん手縫いで製作しました。

続縫い針003
↑ これがチューリップ社の「キルティング針No.12」。

ノバンやオクサなどの透明感のある生地の場合はこれに限ります。

続縫い針004
↑ ダムル工房の初心者の生徒さんに一番売れている縫い針は「ハワイアンキルトNo.12」です。

同じ大きさの針ではなく、色々な大きさの針が入っているのが、初心者の方には好評のようです。

あと色々な作品を幅広く作りたい生徒さんもよく買っていきますね。

中上級者になると、やはりポジャギ針やキルティング針の方の需要が高いようです。

特定のチョガッポ作品数が多くなったり、大作に挑む人が増えるからでしょうね。

続縫い針005
↑ 手まり用に使う待ち針もチューリップ社製のものです。

中国製の針だと、突き刺した時の針のすべりが悪く、すぐ折れてしまいますが、ここの待ち針は変な引っかかり感がなく折れにくいので気に入っています。

縫い針08
↑ 本来はふとん用の針だそうですが、かなり大きな手まり作品を作っても折れることがありません。

てまり作品は大きくなればなるほど、針への負担も大きくなります。

そのためてまりの大作に挑戦する時は、日本製の針でないと作業が全く進みません。

続縫い針007
↑ 日本手工芸指導協会の展示会で見かけて、一目ぼれしました。

ノルウェーのハータンガー刺繍です。しかし慣れるまでは中々難しいものですね。

縫い針はハータンガー刺繍専用針ということで、日本で購入してもらいました。

ノルウェーにはハータンガー刺繍専用の縫い針製造メーカーがあるのでしょうか??

気になります…。

続縫い針008
↑ 日本では世界各国の手工芸のレシピ本が充実していて、とても羨ましいです。

いつか本場のハータンガー刺繍を学びにノルウェーに行きたいです。

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[ 2013/12/18 10:45 ] ポジャギ チョガッポの道具 | TB(-) | CM(0)

縫い針の話(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

この回顧シリーズに際して、同じ記事の再録なんて読者さまに受け入れてもらえるだろうか??と、少々心配もしておりましたが、新規生徒さん方には概ね好評のようでホッとひと安心しております。

常連の生徒さんからもご理解頂いているようで本当に有難うございます。m(_ _)m

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

縫い針01
↑ 縫い針いろいろ

チョガッポや手まりを作る時に絶対欠かせない道具のひとつに縫い針(바늘)があります。

私にとって、縫い針とは数十年間1日も手放したことはないほど身近で大切な道具です。

縫い針02
↑ ノバンやオクサのチョガッポを作る時に使用する針。12番のものが最適です。

私にとって何よりも身近な道具である縫い針ですが、私が使う縫い針は全て日本製です。

私の知る限り、現在の韓国に縫い針の製造メーカーはありません。

韓国で手に入る縫い針は、主に中国製、日本製、あとはドイツやイタリアなどのヨーロッパ製のものが中心です。

縫い針03
↑ 右側のポジャギ針は7年ほど前に広島のチューリップ社の営業さんに商品提案したところ、社長が商品化して下さった思い出深い針です。

スコサやモシのチョガッポに最適な縫い針です。


私は色々な縫い針を試してみて、品質と使いやすさから広島のチューリップ社の商品を一番多く愛用しています。

聞いたところによると広島県は、縫い針の日本におけるシェアがほぼ100%といわれているほど有名な地方だそうですね??

縫い針04
↑ チューリップ社以外だと、これらもモシやスコサに適した縫い針です。

何でも人類が縫い針を手にするのは、紀元前4000年以上も昔に遡るそうです。

最初は動物や魚の骨を縫い針として使用していたとのこと。

それらに現在の縫い針のような針穴はなく、石などで毛皮に穴を開けて縫っていたそうです。

縫い針05
↑ 数字が小さくなるほど針が太くなります。

これはムミョンやサンベのような分厚い布を縫う時に使用します。

13番はヤンダンやムミョンに刺繍を入れるときなどにもよく使います。


現在のような針穴がついた金属性の縫い針は、紀元前1300年ころ中国で発明されたと言われています。

そしてそれが中国からヨーロッパ、その後韓半島から日本へもたらされたそうです。

そして韓半島でも刀鍛冶に携わる人々が縫い針を作っていたと思われますが、時代の趨勢のなかでその文化は消えてしまったようです。

縫い針06
↑ ヤンダンやミョンジュのような冬用の布を縫う時に最適な針

しかしつい最近まで、縫い針は人々の生活に欠かせない重要な道具のひとつでした。

針刺しのところでも書きましたが、韓半島では針治療がとても発達していたので、繕い物以外にも老若男女全ての人にとっての必需品だったからです。

縫い針07
↑ しつけ用にはこのような針を使います。

そのため縫い針に関する文献も色々残されています。

その中で最も有名なものが『弔針文(조침문)』という随筆書です。

この文献は朝鮮王朝時代、子どもに恵まれず寡婦となってしまった兪氏夫人という女性が、自分にとってとても大切な道具であった縫い針を擬人化して書いた文章です。

縫い針08
↑ こちらは手まりを作る時に使用する針たち

自分が27年間使って来た縫い針が折れてしまったことで、長年心の支えとした友を失ったかのように悲しむという内容となっています。

この文章を読むと昔の女性がどれだけ縫い針を大切に思っていたのかが分かり、日頃当たり前のように手にしている道具全てに対して、新たな気付きを与えてくれます。

縫い針09
↑ 皮製品などを扱う特殊針などもあります。

縫い針だけみても本当に奥深いですね。


縫い針10
↑ これはプレゼントで頂いた珍しい針です。今は2本しかありません。

分かりにくいかもしれませんが、この針には針穴が2つあるのです。

何でも2つの穴にそれぞれ違う色の糸を通すことで変わった色合いの刺繍ができるそうです。


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[ 2013/12/17 10:16 ] ポジャギ チョガッポの道具 | TB(-) | CM(0)

韓国の布~ノバン~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

よって、常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度韓国の布シリーズも再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

ノバンのチョガッポ01
↑ 李先生の生徒さんsono氏に写真を借用

(幽談)李先生にとっては、「ノバンは裏地!」という感覚をどうしても拭い去るのが難しく、ノバンの作品はほとんど作ったことがないのだそうです(爆)!!

そのため、今回「韓国の布シリーズ」を続けるにあたり、sono氏に写真提供の協力をお願いしました…。sono氏、コマウォ~!!

既成概念って本当に打ち破るのは難しいですね…(苦笑)。


ノバンのチョガッポ02
↑ ノバンの作品(もちろんsono氏製作)

日本のポジャギ作家さんの間ではステンドグラスのような透け感に人気があるノバン(노방;老紡)です。

ノバンはミョンジュ(明紬)に属し、正式名称はノバンジュ(노방주;老紡紬)といいます。

朝鮮王朝時代末期の絹織物中、最も一般的に使われた布です。

ノバンのチョガッポ03
↑ ノバンの作品(これもsono氏製作)

大衆的な絹織物といえ、宮中では模様がない明紬は忌服(喪の間に着る服)に使用するとして、日常的には着ることがなかったと伝えられています。

また遺物の中に男性の明紬の上着が出土していますが、この時もノバンは基本的に裏地として使われていました。

ノバンのチョガッポ04
↑ ノバンの作品(最後にsono氏製作、コマウォ~^0^)

ノバンジュのことを今日では省略してノバンといいますが、高級品は美しい配色で染色をしたり、絵を描いたり、刺繍を入れたりして、主に夏の女性服の布地として使われています。

比較的低い等級のノバンは、基本的には韓服の裏地として使います。

彩色ノバン
↑ 彩色を施したノバン

ノバンはとても薄い布地であるだけでなく、独特の光沢がある布です。

そのため一重で衣服を作るよりも、二重に布地を重ねて作ることで、水や鏡に映る影の動きのような模様を作り出すことができ、夏の衣服として涼しげな効果を与えることができます。

ノバンの端切れ
↑ ノバンの端切れ

チョガッポ作品としては、簾などに非常に人気があります。

夏にノバンでチョガッポの簾を作り、窓にかけることで、強い日差しに一時の美しさと涼しさを感じさせてくれると思います。

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[ 2013/12/16 10:17 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(0)

韓国の布~モシ~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

よって、常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度韓国の布シリーズも再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓


モシの生地
↑ モシの生地

モシ(모시;紵)は、別名チョ(저;紵)、チョマ(저마;紵麻)、チョポ(저포;紵包)などとも呼ばれ、大麻や荢麻から剥がした繊維を糸にして織った布地のことをいいます。

チョマの畑
↑  荢麻の畑[NAVER出典画像]

チョマ
↑  荢麻[NAVER出典画像]

三国時代の百済にて、ある老人が夢枕に荢麻を偶然みたことから、この植物が発見されたという言い伝えが残り、それを由来として考えると実に1500年の歴史をもつ繊維ということができます。

ソウル経済新聞の記事
↑  荢麻から皮を剥がす作業(ソウル経済新聞2011年6月15日)

モシの質感はザラザラしており、主に夏の生地として使用されます。

モシの製造には非常に手間がかかり、複雑な工程を経なければなりません。

そのため大量に作ることができず、現在は中国をはじめとした外国からモシの生地を輸入して、染色だけを韓国で行うというのが基本です。

モシの生地色々
↑ モシの生地いろいろ

韓国国内でモシの生産地として有名なのは忠清南道の韓山という地方です。

韓山とは忠清南道舒川郡一帯の昔の地名ですが、ここで生産されるモシは手織りのモシの中で、古今東西を通して最も軽く薄いモシと言われています。

現在でも、モシの現代化と多様化を追及し、新しいモシの故郷にしようという試みから、毎年「韓山モシ祭り」が開催されています。

韓山モシ祭り
↑ 韓山モシ祭り(参加者がモシを織る体験をすることができる)


「韓山モシ祭りHP(韓国語)」(←クリック!!)


韓山モシの品質の高さを伝える有名な逸話があります。

中国の「全曾詩註(전승시주)」という書に、薛瑤英(설요영)というとても体が細くて、7世紀の唐時代を代表する美しい女性が登場します。

しかしこの女性はあまりにもかよわいため、普通の衣服を着るとその重さで体を支えることができなかったのだそうです。

そして彼女のために、世界中を探して、ようやく軽い布地を手に入れるのですが、その布地こそが、韓山モシだったというのです。

モシのコースター
↑ モシのコースター

他にも7~10世紀の新羅時代の記録には、モシのことを、まるで朝露のような布であるという意味のチョハジュ(조하주)や、ぽうっと光っているように見えるほど美しいというオマジュ(어마주)という言葉で表現したといわれています。

モシの花瓶敷き
↑ モシの花瓶敷き

10~14世紀の高麗時代にもモシに関する逸話が残っています。

第25代目の高麗王であった忠烈王の時代、ある尼僧がモシ1巻を手ずから織って、王に献上しました。

そのモシの織り目はとても細く、まるで蝉の羽根のように軽く、そのモシを手にしてもまるで重さを感じないほどの素晴らしい出来だったとのこと、またその生地に花柄を施したら、その花がまるで生きているような美しさだったという記録が残されているそうです。

通常この文献は当時の韓国人の手仕事技術の高さを証明するものとして、よく引用されますが、こういうところにもモシが登場するのです。

モシを使った韓紙工芸
↑ モシのチョガッポを貼り付けた韓紙工芸

もちろん朝鮮王朝時代にもモシについての話が沢山残されています。

例えば英祖・正祖(※ドラマ「イサン」の主人公)の時代から、王が「水刺を召し上がる(수라를 젓수신다)=食事をする」時、軟粉紅(연분홍)色のセス(세수)を使ったという記録です。

このセスというのは赤ちゃんのよだれ掛けのようなもので、王の衣服を食事で汚さないために使われる前掛けのようなものを指します。この前掛けの材質がモシであったといわれています。

さらに王や大妃が病気になると、テチュチョ(대추초)とよばれるナツメを砂糖で煮込んだ菓子や、センラン(생란)という生姜をすり潰して砂糖で煮込んだ菓子を出したのですが、それらの菓子2~3個と一緒に、白いモシで作った手ぬぐいも一緒に出すことになっていたそうです。

テチュチョ
↑ テチュチョ

他にも宮殿には僕伊内人(복이나인)という王宮で王や大臣に使える下人がいたのですが、彼女たちはスカートの前裾を引きずらないように上にあげて縛り、その上に白いモシのエプロンを着ていたとのことです。

内人のエプロン
↑ 内人のエプロン姿(MBCドラマ大長今より)

このような様々な文献に記録が残されているように、モシは朝鮮半島に住む私達の日常生活の様々な場面において、なくてはならない生地であったことを伺い知ることができると思います。



<お知らせ>

埼玉TK氏20131213
↑ 本日、ダムル工房短期集中修行中最終日の埼玉TK氏がたずさわったプラネタリウム作品について告知します。

「ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~」(←クリック!!)

埼玉TK氏は主人公の少年やお母さん、サンタ叔父さんなどの人形衣装を担当されたそうです!!

何と小さな衣装を作るのに、ポジャギの技術が相当に役に立ったと仰ってマシタ!!オドロキ!!

またメインページにあるスノーマン製作中の主人公がかぶる毛糸の帽子は、昨年の冬にソウルで買った帽子を参考に縮小して作ったのだとか!!

現在は東京・池袋のサンシャインシティにあるプラネタリウムでの上映ですが、順次全国のプラネタリウムに拡散していくそうです!!

もしお近くのプラネタリウムにやって来ることがありましたら、是非観に行ってみて下さい!!

幽の故郷には世界最大級のプラネタリウムがあるのですが、早くそこで上映してくれないかなぁ~。

それでは、埼玉TK氏~!!ダムル工房の短期修行、お疲れサマでした!!

気をつけてお帰りになって下さいね!!(^0^)/~~~

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[ 2013/12/13 10:46 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(0)

韓国の布~チンジュサ~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

よって、常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度韓国の布シリーズも再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

韓国の布04チンジュサ
↑ チンジュサを使った作品

チンジュサ(진주사;眞珠紗)とは、サ(사;紗)の種類のひとつです。

2本の絹糸をねじり合わせ綾織りにした布です。カプサ(갑사;甲紗)やクッサ(국사;菊紗)より透明感があり、初夏の布地と言われています。

チンジュサ02
↑ チンジュサ

紗の織り方で、六角形の模様を連続させ布全体に織り込んでおり、その模様が真珠を置いたように見えることからチンジュサと名付けられました。

しかし、つい最近までは作られていませんでした。

何故ならチンジュサは織るのにとても手間がかかるため、布地の製造者が自然に織らなくなり、消えてしまったからです。

スンイン02
↑ スンイン

けれども慶尚道地方の墓から出土したミイラに付着していた布地を復元したことがキッカケとなり、再度作られるようになりました。

他にもスンイン(순인;純仁)と呼ばれる布地がありますが、これもチンジュサと同じような背景を持った布といえます。

スンイン01
↑ スンインとオクサの刺繍を使った作品


<お知らせ>

埼玉TK氏20131210
↑ 現在、ダムル工房にて短期集中修行中の埼玉TK氏がたずさわったプラネタリウム作品について告知します。

「ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~」(←クリック!!)

埼玉TK氏は主人公の少年やお母さん、サンタ叔父さんなどの人形衣装を担当されたそうです!!

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現在は東京・池袋のサンシャインシティにあるプラネタリウムでの上映ですが、順次全国のプラネタリウムに拡散していくそうです!!

もしお近くのプラネタリウムにやって来ることがありましたら、是非観に行ってみて下さい!!

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[ 2013/12/12 10:05 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(3)

韓国の布~ヤンダン~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

よって、常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度韓国の布シリーズも再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

ヤンダンの作品
↑ ヤンダンを使用した作品
(韓国のスゴロク遊びユンノリ[윶놀이]をヤンダンで再現した作品)

タン(단;緞)とは銀糸や色糸で色々な模様を入れ、分厚く織り上げた高級な絹織物のことをいいます。

分厚い布地であることから、主に冬の布地として使用されてきました。

ヤンダン
↑ ヤンダンで作ったチョガッポ作品

もともとヤンダン(양단;洋緞)という言葉は、朝鮮半島が西洋諸国と交流するようになった時代に生まれました。

つまり輸入されたイギリス産の絹織物を、それまであった国内産の絹織物と区別するために作られた言葉だったのです。

けれどもいつのまにか本来あった意味が失われ、現在では模様が入ったタン(=紋緞)を総称する言葉に変化してしまいました。

ウムンダン
↑ ウンムンダン

模様がないものをコンダン(공단;貢緞)、雲の模様があるものをウンムンダン(운문단;雲紋緞)などとも呼びます。

ソモクムンタン
↑ ソモクタンムンタン

また桃花・ザクロ・仏手柑(注1)などの模様があるものをトリュブルスムンダン(도류불수문단;桃榴佛手紋緞)、蓮花・牡丹花の模様があるものをハファモランタン(하화모란단;荷花牡丹緞)、笑牡丹(注2)の模様があるものをソモクタンムンタン(소목단문단;笑牡丹紋緞)などと呼びます。

他にも沢山の紋様があり、紋様ごとに名前が付けられています。

(幽の補足説明)
注1;仏手柑(ブシュカン)とはミカンの一種です。

果実の形が手の指の形をしていることからこのような名が付けられたといいます。

インド産の果物なのですが、果実が少ないため生食はせず、砂糖漬けにしたものを食べます。

注2;笑牡丹とは、シャクヤク(芍薬)の花のことをいいます。


ブシュカン
↑ ブシュカン[NAVER出典画像]

シャクヤク
↑ シャクヤク[NAVER出典画像]



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[ 2013/12/11 10:34 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(0)

韓国の布~オクサ~(再録)

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オクサ作品
↑ オクサで作った作品

一般的にジュ(주;紬)と呼ばれる布には2種類あります(注1)。

ひとつはミョンジュ(명주;明紬)、もう一つはセンミョンジュ(생명주;生明紬)です。

ミョンジュの布
↑ ミョンジュで作ったチョガッポ作品

シルク糸にはセリシン(sericin)という動物性たんぱく質の保護膜が含まれているのですが、それを除去した糸で織ればミョンジュとなります。

柔らかい手触りの布になり、冬の韓服に使用されます。

それに対して、このセリシンを除去せずに織られた布をセンミョンジュと呼びます(注2)。

ザラザラした手触りになってしまいますが、涼しげな風合いを持つ布になります。

オクサ(옥사;玉紗)はセンミョンジュのひとつと言えます。

オクサの布
↑ オクサで作ったホッポ作品

オクサは2匹以上の蚕が1つの繭を作ったものだけから得た絹糸で織った布です(注3)。

糸の太さが一定でないことから、光沢もなく生地に不規則な筋のようなものが表れます。

けれどもその不規則な折り目こそが、この布に独特の風合いを与えています。

涼しげな透明感のあるホッポ(一重)作品を製作する時によく使う布です。

(幽の補足説明)

注1;ジュ(주;紬)というのは繊維学的な分類を指しています。

簡単に言えば織り方の違いによって幾つかに分類されているのです。

他にも今まで紹介してきた中では、ハンラのラ(라;羅)や、オクサ・スコサなどのサ(사;紗)なども織り方によって名前が付けられているわけですが、他にも覚えきれないくらい色々あります(苦笑)。

他にポジャギでよく聞くのはヤンダンなどのダン(단;緞)ですかね?

もっと詳しく知りたい人は繊維学辞典のようなものを調べれば分かります。日本のものでもOKだと思います。

注2;但し製品によってセシリンを取り除いたものとを混ぜる場合もあります。

注3;これも一般的な繭と混ぜ合わせる場合もあります。

つまり、そういう微妙な違いが会社ごとに同じ名前が付けられていても手触りや質感の差異となって表れていると考えて下さい。




<お知らせ>

埼玉TK氏20131210
↑ 現在、ダムル工房にて短期集中修行中の埼玉TK氏がたずさわったプラネタリウム作品について告知します。

「ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~」(←クリック!!)

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現在は東京・池袋のサンシャインシティにあるプラネタリウムでの上映ですが、順次全国のプラネタリウムに拡散していくそうです!!

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[ 2013/12/10 10:02 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(0)

韓国の布~スコサ~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

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↓   ↓   ↓

サソンタンポ02-06

スコサ(숙고사;熟庫紗)は、縦糸は生糸、横糸は熟糸(注1)を使って織った布です。

平面部分は平織りで、紋様は斜め織りとなっており、主に円形の瓢箪の紋様が多いのが特徴的です。

春・秋用の布で、女性や子どもの韓服の材料として使われることが多いです。

チョガッポ(조각보)を作る時は、扱いやすい布であるため初心者向けの布といえます。

主にギョッポ(겹보;注2)作品を作るときに多く使用されています。

スコサ(숙고사;熟庫紗)と同類の布として、カプサ(갑사;甲紗)、クッサ(국사;菊紗)、ウンムンスコサ(운문숙고사;雲紋熟庫紗)、トリュブルスムンサ(도류불수문사;桃榴佛手紋紗)など、色々な種類があります。

(幽の補足説明)
注1;熟糸(숙사)とは生糸が繭から取り出した糸をそのまま使うのに対して、一度お湯で煮出した糸のことをいいます。

注2;ギョッポ(겹보)とは裏地があるチョガッポ作品のことを言います。

日本でポジャギは「ステンドグラスのような質感が人気で…」と紹介されることが多いようですが、あのような透明感がある技法のことは、ギョッポに対してホッポ(홑보)と呼びます。

つまり透けておらず、2枚重なっているポジャギ作品のことです。


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[ 2013/12/09 10:28 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(0)

韓国の布~ハンラ~(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

前回のパヌチル技法の再録同様に、韓国の布についても新規の生徒さんから質問が相次いでいるそうです。

よって、常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度韓国の布シリーズも再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

韓国の布01ハンラ

韓国は四季が明瞭なため、季節に合わせて布の種類も色々あります。

春・秋はスコサ(숙고사)、チンジュサ(진주사)、カプサ(갑사)などの紗(사)の種類。

夏はモシ(모시)、ハンラ(항라)、オクサ(옥사)、ノバン(노방)。

冬は雲紋緞(운문단)、貢緞(공단)、桃榴佛手緞(도류불수단)などの緞(단)の種類が使われます。

このなかでチョガッポ(조각보; 注1)に多く使われる布からまとめたいと思います。

日本人の生徒さんが好きなハンラ(항라)は、紗(사)の種類の布と同様に、人によって作り出された布といえます。

絹糸4筋が1組となって織られた布で、かすみ網(새그물;注2)のような布だと言われることがあります。

横糸数筋の平織りに縦織りを1度ねじ込み、再度平織りをすることで、規則的に繰りかえす横線の模様が表れる織物となります。

模様がないハンラは「ミンハンラ(민항라;無紋亢羅)」

模様があるハンラは「ムンハンラ(문항라;紋亢羅)」

シルクを沢山入れて織ったハンラは「タンハンラ(당항라;唐亢羅)」と呼ぶこともあります。

新羅時代(신라시대;注3)にハンラの製作が活発になり、冠帽や衣服によく使われたといわれています。

(幽の補足説明)
注1;韓国では、余った端布(조각)をつなぎ合わせたパッチワーク作品のことをチョガッポ(조각보)といいます。

日本に誤って広がってしまったポジャギ(보자기)という言葉は、こちらではもともと「風呂敷」を意味する言葉です。

つまり物を包んで運ぶ大きな布なら、パッチワーク作品でなくても全て「ポジャギ」というわけです。

日本には間違った言葉が先に流入し、定着してしまったようです。

注2;かすみ網(새그물)とは、細い糸で編んだ網を空中に渡して、野鳥を捕らえる道具です。

注3;新羅時代(신라시대)とは、三国時代に朝鮮半島の南にあった新羅が、7世紀中ごろに半島全土を統一した時代を指します。

10世紀に高麗という国家に滅ぼされるまで続きました。首都は金城(現在の慶州)で、この都市は韓国の古都といわれ、日本の京都のような位置づけにある都市です。


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[ 2013/12/06 10:15 ] ポジャギ 韓国の布 | TB(-) | CM(2)

チョガッポの縫い方技法④(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

何でも最近新しい生徒さんが増えて下さり、新規の生徒さんからパヌチルについての質問などを沢山されるとのこと。

おそらく新規の生徒さんは以前のブログ記事を読んでいないのではないか??という結論に達したようです。

常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度パヌチルのページを再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

(幽談)さて、本日でようやくこの縫い方技法の最終回です…。いつまで続くのかと思っていたので、ホッとしました(苦笑)。

自分自身に知識がなく、翻訳してもイメージが全く浮かばないのは訳していて相当なストレスであることがよく分かりました…。ま、これもいい経験です。

今回も訳語がさっぱり分からないものてんこ盛りです…。どうぞご協力宜しくお願いします~。m(_ _)m


11) スムンカムチムポプ(숨은감침법;隠しまきかがり技法???)

斜線と斜線の布、あるいは斜線と直線の布をつなげる時に使う技法です。

韓服をつくる時は襟部分を縫うときに使います。

12) ティヌリ(띠늘이;???)

別名コウクルギ(고윽르기;???)ともいいます。

縫い代と縫い代を合わせて、両側から交代に縫っていく技法です。

この技法で気をつけなければいけないことは、裏返した時、糸目が外に見えないようにすることです。

13) ヌンソプタン(눈섭단;???)

※ちなみに「눈섭」とは「眉毛」のことなんですけど…。

ヌンソプタン前面
↑ ヌンソプタンを前から見た図 

最後の仕上げをする技法のうちにひとつです。

モシや薄い布でチョガッポ作品を仕上げる時、モシパル(모시발;モシのつまみ縫い???)を使用した作品を作る時などに、最終的な仕上げとして美しくしまつする技法です。

モシパルとはモシ作品の技法のひとつですが、モシの端切れをつなぐのではなく、つまみ縫いで模様を描いて行く技法です。

ヌンソプタン後面
↑ ヌンソプタンを後ろから見た図

14) カサキボプ(가사기법;袈裟技法)

袈裟技法01
↑ カサキボプを使って布をつなげる

仏教の出家僧が着る衣服を「袈裟」といいますが、その袈裟を作る時の特別な技法をチョガッポに応用したものです。

殺生を禁じられた出家僧たちが着る衣服ならではの創意工夫に溢れた技法と言えるでしょう。

袈裟技法02
↑ カサキボプを使ったチョガッポ作品

15) マルキボプ(마루기법;床技法)

マルキポプ
↑ マルキボプを使った作品

韓国のテチョンマル(대청마루;大廳床)を連想させる技法です。

大廳とは家の中央にある広い板の間のことを指しますが、この板の間に使われる板をつなぎ合わせる技法をチョガッポ作りに応用した技法です。

一方の方向からだけ縫う技法なのですが、説明が難しいので、いつか別の機会にチョガッポ作品を作りながらご紹介したいと思います。

以上のように、完全網羅したわけではありませんが、これら大体15種類の技法を様々に駆使してチョガッポを作ると考えてくれて結構です。

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[ 2013/12/05 10:50 ] ポジャギ チョガッポ運針技法 | TB(-) | CM(0)

チョガッポの縫い方技法③(再録)

李先生からの要請で以前一度載せた記事を再録させて頂きます。

何でも最近新しい生徒さんが増えて下さり、新規の生徒さんからパヌチルについての質問などを沢山されるとのこと。

おそらく新規の生徒さんは以前のブログ記事を読んでいないのではないか??という結論に達したようです。

常連の生徒さんには申し訳ありませんが、再度パヌチルのページを再掲載させて頂きます。

以下、以前書いたものと同じ内容になります。

↓   ↓   ↓

(幽談)本日もどうやって翻訳していいのか分からないものが山ほどあります。ご協力ください…(苦笑)。

シチムチルの画像 ← ここをクリック!

7)シチムチル(시침질;しつけ縫い)

2枚以上の布を臨時に固定させる時に使う技法です。

布の端から0.5cm内側を約3cmの長さでひと縫いし、また0.5cm空間をあけて大きく縫います。

布を裏返せばほとんど縫い目は見えません。

しつけ
↑ しつけ縫いを表からみた写真

サトゥギの技法 ← ここをクリック!

8)キィカプチギ(귀갑치기;端合わせ交差縫い???)

キィカプチギ

別名サトゥギ(사뜨기;???)とも言います。

指貫(골무)やノリゲ(노리개;チマチョゴリの装飾品)などの両側が処理されているものをつなぎ合わせる時に使う技法です。

しっかりとつながるだけでなく、縫い目自体が装飾の効果を与えてくれる技法です。

李先生の後ろにあるのがノリゲ
↑ 李先生の後ろに陳列されているものがノリゲ(노리개)です!

ノリゲ写真
↑ 下手な写真ですが、こういうの…

お弟子さんコルム
↑ 韓国人のお弟子さんユジナ(유진아)氏が作ったコルム

セパルトゥギの技法 ← ここをクリック!

9)セパルトゥギ(새발뜨기;千鳥)

セパルトゥギ

分厚い布をしっかりと処理するためや、または縫い目を装飾として見せるときなどに使用します。

縫うときは左側から始めて、右側方法に進んでいきます

フィカプチギの技法 ← ここをクリック!

10)フィカプチギ(휘갑치기(注1);ほつれ止め縫い???)

フィカプチギ

布がほつれないようにするために使う技法です。1cm間隔で0.5~1cmの深さでひと目とし、5~6目ぐらいずつかがっていきます。

(幽の補足説明)
注1)「フィカプチギ」という技法名の由来は「フィカプチダ(휘갑치다)」という動詞を名詞形にしたものからです。

「フィカプチダ」とは日常的には、後でごたごたしないようにうまくケリをつけること、つまり「上手く処理する」という時に使います。

これがパヌチル技法に入り「布の裁ち目がほつれないようにかがり縫いをする」という意味に転じ、布・むしろ・ゴザのようなものの縁がほつれないように編んだり、縫ったりしていくことを意味するようになりました。

今回も基本的に「???」となっているところは、私の能力ではどうしても日本語に訳せない技法名です。

日本語は直訳的に意味をとってみたものです…。「サトゥギ」なんて語源が何かもよく分かりませんでした…。

もしひとつでも日本の技法名が分かる方がいらっしゃいましたら、どうぞご協力お願いします~m(_ _)m


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[ 2013/12/04 10:27 ] ポジャギ チョガッポ運針技法 | TB(-) | CM(2)
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ダムル工房

Author:ダムル工房
日本人ゴーストライターが書く李賢淑先生の徒然雑記。

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